楠木正成立つ
太平記は平家物語と同じく何度読んでもあきません。第2巻ではやはり地方の武士がだんだん北条氏から離れ楠木正成も千早城で再起をかけるという一番の見所が詳しく書かれており読む人をひきつけて話さない よさがありました。あの森村誠一さんがここまでの歴史小説を書くのか と驚かされました。
やや南朝寄りの展開に
1巻が鎌倉幕府寄りで進行していったせいか、2巻でようやく南朝サイドの動向にスポットライトが当たります。楠木正成、護良親王といった南朝最前線で戦う人物と、その周囲の人々の様子がだんだん明るみになってくる上、鎌倉幕府の内訌も表面化し、討幕の気風が高まっていくのが読者にもよくわかるので、南北朝動乱というよりも鎌倉幕府滅亡の背景がより理解できる構成になっているのではないでしょうか。 こうして1、2巻と読み進めてくると、太平記の原典から的を絞りこんで描いているにも関わらず、鎌倉幕府討幕に思いのほか筆が割かれているのがよくわかります。 存外オリジナルの脚色も多いのです。 菊夜叉は北条高時の愛妾でありながら、内管領をそそのかし、楠木正成の古い恋人でもあったわけですが、新田義貞にも鎌倉幕府討幕の意志を固めさせることになりますし、ほんと大活躍です(笑) 後醍醐天皇の寵妃・阿野廉子が出てこないのは何故だろうと不思議だったのですけど、菊夜叉のキャラがかぶっているから敢えて出さないのでしょう。
角川書店
太平記〈1〉 (角川文庫) 太平記〈3〉 (角川文庫) 太平記〈4〉 (角川文庫) 太平記〈6〉 (角川文庫) 太平記〈5〉 (角川文庫)
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